2013年04月11日

当面の地球温暖化対策に関する方針


当面の地球温暖化対策に関する方針
平成2 5 年3 月1 5 日

地球温暖化対策推進本部決定


 地球温暖化の進行は、気候変動により人類の生存基盤及び社会経済の存立基盤を揺るがす重大な脅威である。地球温暖化がもたらす脅威に対し、現在及び将来における国民の生命・身体・財産の安全を確保するため、今後とも、環境と経済の両立を図りつつ、切れ目なく地球温暖化対策を推進する必要がある。第四次環境基本計画(平成24 年4月27 日閣議決定)においても、地球温暖化対策の長期的な目標として、2050 年までに80%の温室効果ガスの排出削減を目指すこととしている。
 これを踏まえ、地球温暖化対策推進本部は、当面の地球温暖化対策に関する方針について、次のとおり決定する。


Ⅰ.平成25 年度以降の地球温暖化対策に関する基本的方針

 これまで我が国は、京都議定書第一約束期間における温室効果ガスの6%削減目標に関し、京都議定書目標達成計画(平成17 年4 月閣議決定、平成20 年3 月全部改定)に基づく取組を進めてきた。引き続き、個別の取組の検証は必要であるものの、6%削減目標は達成可能と見込まれている。
 我が国は京都議定書第二約束期間には参加せず、同計画は本年度末を以て終了することとなるが、平成25 年度以降、国連気候変動枠組条約の下のカンクン合意に基づき、平成32 年(2020 年)までの削減目標の登録と、その達成に向けた進捗の国際的な報告・検証を通じて、引き続き地球温暖化対策に積極的に取り組んでいくこととする。
 まず、2020 年までの削減目標については、本年11 月の国連気候変動枠組条約第19回締約国会議(COP19)までに、25%削減目標をゼロベースで見直すこととする。
 その実現のための地球温暖化対策計画の策定に向けて、中央環境審議会・産業構造審議会の合同会合を中心に、関係審議会において地球温暖化対策計画に位置付ける対策・施策の検討を行う。この検討結果を踏まえて、地球温暖化対策推進本部において地球温暖化対策計画の案を作成し、閣議決定することとする。
 また、地球温暖化対策計画の策定の法的根拠となる「地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案」を今国会に提出し、その成立に万全を期すこととする。


Ⅱ.地球温暖化対策計画の検討方針

 地球温暖化対策計画に位置付ける対策・施策については、京都議定書目標達成計画の実施及び進捗点検を通じて得られた知見を十分に活用しながら、エネルギー政策の検討状況を考慮しつつ、我が国の経済活性化にも資するものを目指す。その際、対策ごとの目標(対策評価指標)を設定するとともに、対策ごとの目標を達成するための施策を具体的に示すこととする。
 特に、再生可能エネルギーや省エネルギーについては、東日本大震災以降、事業者及び国民による取組が拡大してきたことを踏まえ、これをさらに加速させ、我が国の技術と知恵を活用しながら、低炭素社会の創出にも資するよう、最大限の推進を図るものとする。
 エネルギー起源二酸化炭素の各部門の対策については、「低炭素社会実行計画」に基づく事業者による自主的な取組に対する評価・検証等を進めるとともに、排出抑制等指針の策定・公表・運用を始めとする制度的対応や、各種の支援措置等を進めるものとする。
 代替フロン等に関する対策を抜本的に強化し、フロン類の製造、製品への使用等を含むライフサイクル全体にわたる排出抑制対策を進める。
 国際的に合意された新たなルールに則った森林等の吸収源対策や、バイオマス等の有効活用を積極的に推進する。
 新たな削減目標の達成に向けた対策・施策については、定期的かつ定量的な評価を行うことにより厳格に進捗状況を点検するとともに、必要に応じ内容の見直しを行うこととする。
 さらに、途上国への温室効果ガス削減技術、製品、システム、サービス、インフラ等の普及や対策実施を通じ、実現した温室効果ガス排出削減・吸収への我が国の貢献を定量的に評価し、我が国の削減目標の達成に活用するため、二国間オフセット・クレジット制度を構築・実施していく。
 併せて、地球温暖化についての観測・監視等の継続、科学的知見の収集、調査の実施及び温暖化問題の解決のための研究・技術開発、低炭素な地域づくりに向けた取組、低炭素社会の創出に向けた国民運動の展開等多様な政策手段を活用することにより、国民の関心と理解の増進や排出削減・吸収の取組の促進に一層努めるものとする。
 また、今後避けることのできない地球温暖化の影響への適切な対処(適応)を計画的に進める。
 さらに、全ての国が参加する2020 年以降の将来枠組みについて2015 年の合意を目指し、今後の国際的な議論に積極的に参画する。


Ⅲ. 新たな地球温暖化対策計画の策定までの間の取組方針

 地球温暖化対策を切れ目なく推進する必要性に鑑み、新たな地球温暖化対策計画の策定に至るまでの間においても、地方公共団体、事業者及び国民には、それぞれの取組状況を踏まえ、京都議定書目標達成計画に掲げられたものと同等以上の取組を推進することを求めることとし、政府は、地方公共団体、事業者及び国民による取組を引き続き支援することで取組の加速を図ることとする。
 また、政府は、新たな地球温暖化対策計画に即した新たな政府実行計画の策定に至るまでの間においても、現行の政府実行計画に掲げられたものと同等以上の取組を推進することとする。

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