2013年04月02日

締約国会議 (COP)

 気候変動枠組条約の条約事務局は、ドイツのボンにある。

 この条約の交渉会議には、最高意思決定機関である気候変動枠組条約締約国会議 (Conference of the Parties、COP) のほか、常設の補助機関 (SB) に、実施に関する補助機関 (SBI) と、科学的、技術的な助言に関する補助機関 (SBSTA) がある。

 条約発効後1年以内に初開催しそれ以降毎年開催するとの規定(7条4項)に基づき、発効翌年の1995年から毎年開催されている。

1997年12月に開催された第3回締約国会議(COP3、京都会議)においては、2000年以降の取り組みについての規定が不十分であるとして、法的拘束力のある数値目標を定める京都議定書が採択された。2007年12月3日にオーストラリアが京都議定書に調印、批准したため、先進国で京都議定書に批准していないのはアメリカ合衆国だけとなった。

第1回締約国会議 (COP1) 1995年 3/28 - 4/7 ドイツ ベルリン
気候変動枠組条約だけでは気候変動問題の解決には不十分であるとの認識で一致した上で、COP3までに新たな「議定書あるいは法的文書」に合意すること、またその内容として付属書I締約国の2000年以降の排出量目標を設定するとともに、途上国に対しては既存の(条約上の)義務達成を促す方法を検討すること、目標達成に必要な各種措置を設けることなどで合意し「ベルリン・マンデート」として発表した。これに基づいて「ベルリン・マンデート・アドホック・グループ(AGBM)」が設けられ、「議定書あるいは法的文書」の方針を定めることとした[1]。

第2回締約国会議 (COP2) 1996年 07/08 - 07/19 スイス ジュネーヴ
排出量目標を各国で一律化するか差異を設けるかどうかや、達成に必要な措置の採用などに次いで議論が行われたが、目立った合意には至らなかった。「閣僚宣言」として、地球環境悪化の危険域は温室効果ガス濃度が産業革命前の2倍でありその水準に抑えるためには現状より半減する必要があるとの趣旨を「最も包括的かつ権威ある評価」とするIPCC第2次評価報告書より引用したほか、COP3で採択予定の「議定書あるいは法的文書」は法的拘束力のある内容を含むべきとする宣言を、豪州・産油国の反対により全会一致とはならなかったが「留意する」という形で発表した[2]。

第3回締約国会議 (COP3) 1997年 12/01 - 12/10 日本 京都
温室効果ガスの削減目標を定める「京都議定書」を採択。また、柔軟性措置(京都メカニズム)として共同実施(JI)、クリーン開発メカニズム(CDM)、排出取引(ET)の3つを採用することを決定した。

第4回締約国会議 (COP4) 1998年 11/02 - 11/13 アルゼンチン ブエノスアイレス
この段階では、柔軟性措置(京都メカニズム)の規定、排出量・削減量・クレジットの計算方法、評価制度や遵守のための制度など、議定書の運用詳細に関する規定はまだ決まっていなかった。「京都議定書の早期発効」のために行動すること、また2年後のCOP6を目標に詳細な運用規定で合意を形成することを目指す「ブエノスアイレス行動計画」を採択。

第5回締約国会議 (COP5) 1999年 10/25 - 11/05 ドイツ ボン
第6回締約国会議 (COP6) 2000年 11/13 - 11/24 オランダ ハーグ
先進国から途上国への温室効果ガス削減技術の移転、資金の動き、吸収源活動、計算や審査の方法、遵守制度などで、利害対立が続いて合意に達しなかった。

第6回締約国会議 (COP6) 2001年 07/16 - 07/27 ドイツ ボン (再会合)
前回会合後アメリカ政府が自国経済への悪影響と途上国の参加義務免除を理由として議定書不参加を表明していた。技術移転や計算方法については合意に達した(ボン合意)が、吸収源活動や遵守規定は先送りとなった。

第7回締約国会議 (COP7) 2001年 10/29 - 11/10 モロッコ マラケシュ
CDMにおける吸収源活動由来の削減単位RMUの算入制限、規律ある吸収源活動の運用、排出削減のための基金として後発開発途上国基金(LDCF)・特別気候変動基金(SCCF)・適応基金(AF)の3つを地球環境ファシリティ(GEF)のもと運用することなどについて合意した。

第8回締約国会議 (COP8) 2002年 10/23 - 11/01 インド ニューデリー
途上国と先進国との対立が平行線を辿り、途上国の開発優先性をも重視することを念頭に置いた「共通だが差異のある責任」を再確認した。また、京都議定書の未批准国に対し批准を強く求める「デリー宣言」を採択。

第9回締約国会議 (COP9) 2003年 12/01 - 12/12 イタリア ミラノ
第10回締約国会議 (COP10) 2004年 12/06 - 12/17 アルゼンチン ブエノスアイレス
第11回締約国会議 (COP11) 2005年 11/28 - 12/09 カナダ モントリオール
第12回締約国会議 (COP12) 2006年 11/06 - 11/17 ケニア ナイロビ
第13回締約国会議 (COP13) 2007年 12/03 - 12/14 インドネシア バリ
第14回締約国会議 (COP14) 2008年 12/01 - 12/12 ポーランド ポズナニ
第15回締約国会議 (COP15) 2009年 12/07 - 12/18 デンマーク コペンハーゲン
第16回締約国会議 (COP16) 2010年 11/29 - 12/10 メキシコ カンクン
第17回締約国会議 (COP17) 2011年 11/28 - 12/11 南アフリカ共和国 ダーバン

 第18回締約国会議 (COP18) 2012年 11/26 - 12/07 カタール
【12月10日 AFP】国連気候変動枠組み条約第18回締約国会議(COP18)が8日に採択した「ドーハ合意(Doha Climate Gateway)」の概要をまとめた。

■京都議定書の第2約束期間

 地球温暖化の原因である温室効果ガスの排出抑制に関して世界で唯一、拘束力を持つ国際協定だった京都議定書が、12月31日に期限切れを迎える第1約束期間を引き継ぐ第2約束期間として延長された。第2約束期間は2013年1月1日から2020年末までとされ、欧州連合(EU)加盟27か国の他、オーストラリアやスイスなどの先進国10か国が参加する。

■発展途上国支援

 ドーハ合意では先進国に「各国の財政状況が許す時には」発展途上国への支援を誓約するよう求めている。

 富裕国は2010~12年までの間、貧困国の温暖化抑制計画に計300億ドル(約2兆4700億円)を支援してきたが、13年~19年までについては、EU、米国、日本は何の誓約も表明していない。しかし発展途上国は、少なくとも15年までに600億ドル(約4兆9400億円)が必要だと訴えている。

 ドーハ合意では、「2020年までに気候対策に向けた資金を年間1000億ドル(約8兆2400億円)にまで拡大するための戦略と手法に関する情報」を、2013年ポーランドのワルシャワ(Warsaw)で開催される国連気候変動枠組み条約第19回締約国会議(COP19)までに提出するよう先進国に求めている。

■気候変動による損失と被害

 貧困国や気候変動の影響に対し最もぜい弱な国々からの訴えに応え、各先進国代表は長時間にわたる密室での議論の末、COP19で気候変動による損失と被害に取り組む制度を設立することになった。

■新枠組み交渉

 2020年より先、京都議定書に代わる新たな国際制度を15年までに設計する意志を参加国・地域は再確認した。新枠組みは世界のすべての国に拘束力を持つものとする。

■2020年までの排出について

 地球の気温上昇を産業革命以前との比較で2度以内に抑えるために、実際に必要となる温室効果ガスの削減量と各国の削減目標値との差が開きつつあり、その差を埋める改善策を見いださなければならないのが現状となっている。

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